独楽の回転数

煩悩の少なめでお願いします。

同世代の話

先日、取引先ともめた。

折衝の末、大事にならずに済んだ。その取引先とは今後つきあいは無くなることになったのだが、先方の社長が電話で親切にいろんな情報をくれて感心していた。

 

後日、その会社の営業が納品に来た時に話をしていたら社長は私と同い年というではないか。

先代社長の親族だそうだが同族企業のボンボンという感じではなかった。

 

すげぇ奴が世の中にいるもんだ。

 

この年(36歳)にもなると、会社員であれば中堅、早い人で課長くらいになっているのだろう。そういうお年頃なのだ。

 

今ではYouTubeやネットなどでいろんな人の生き様を見ることができるけど、会社と自宅以外の窓しかない人間からは同世代がどんな働きをしてるかは分からない。

 

23、24歳くらいの時に大学の同級生が千葉に転勤してきたので遊びに行ったことがある。その頃、私は新卒で入った会社を早々に辞めてフリーター。何にも考えてはいなかった。

 

友人の仕事終わりに集合ということで、東京駅かどっかで落ち合って友人宅へ電車で移動。見るからに疲れ切っている様子で何を食うかで揉めることもなかった。(こいつとはどこのラーメン屋に行くかで派手に揉めた。)

 

駅前で半額になった寿司とビールを買って友人宅に着く。それとなく会社の状況を聞くが、返事が朧げで具体的ではなかった。疲れているのが分かったので盛り上げようなどとは思わなかったが、寿司を食い終わってゴミをまとめて振り替えると友人は歯も磨かずに寝落ちしていた。とにかく頑張る奴なのだ。

 

時は流れて2018年。私が地元に戻った年に大学の同窓会をやることになった。大学を卒業した当初、私以外はみんな地元で就職していたが、同窓会の時は半数が転勤か転職で地元を離れていた。

 

同窓会は大いに盛り上がったし、気を使う必要もないので色々解き放った。仕事の事や家庭の事を何の気兼ねもなく話せた。

 

地域性なのか世代なのか、たまたま同じ類の人間がつるんでいたのか理由は定かではないが、私の同級生はみんな優秀な社会人だった。地方の私立文系大学の出の割には地銀とか経理とかである程度知名度のある企業でしっかり勤続していた。

 

会う度に、「お前いま何屋さんだっけ?」となるのは俺ともう1人くらいだった。もう1人も転職と引越しの数は多いが、勝算のある業界を見極めて着実にキャリアアップしていた。

何をしてるかよくわからない奴は私だけだった。

 

学生の頃は俺が一番稼げるし、一番面白いのだから社会に出ても目立つのは俺だと思っていいた。実際はそうじゃなかった。

 

私は自分が思うよりずっと内向的で打算的だったし、社会で必要なのは根性とポリシーだった。根性とポリシーを守り切れる奴らが一戸建てとステーションワゴンを買えた。

 

何で自分はこいつらみたいになれなかったんだろうと本当に悩んだ。羨ましかった。

そんな話をしても過去も自分のバックボーンも変えられない。

 

ただ、いろんな苦境に負けずにここまでやってきた同世代の選手たちを本当にすごいと思う。

努力が報われる人とそうじゃない人、恵まれた人とそうじゃない人。いろんな人がいて隣の芝はモルディブの海みたいに青く見える。

 

私は自分自身の棚卸しをして、体制を整える。

そして、自分が思う極力大きな花火を打ち上げる。

 

現場からは以上です。